研究成果 埼玉大学・安藤恵子 平成24年9月19日

運動する線虫の神経筋活動をリアルタイムで可視化する

安藤 恵子1、宇佐美 篤2、永村 ゆう子1、大倉 正道1、池谷 裕二2、松木 則夫2、 *中井 淳一1(1埼玉大・脳科学融合研究センター、2東京大・薬・薬品作用) *:corresponding author

The 35th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society

歩行、遊泳、呼吸などの周期性運動は動物の生存に欠かせない基本的な運動です。周期性運動の研究は除脳ネコや生体から取り出した神経標本などを使って盛んに行なわれてきました。しかし、運動の仕組みを知るためには、生きた動物で神経回路と筋肉の活動を捉える必要があります。私たちは高性能な蛍光カルシウムセンサー(G-CaMP)を作成し、共焦点レーザー顕微鏡を組み合わせて運動中の個体の神経活動を可視化する技術を開発しています。今回、改良型G-CaMPを使って線虫が運動する際の動的な神経筋活動を解析しました。これまで自由運動下で活動を記録することは技術的に困難でしたが、体壁筋細胞と運動ニューロンの活動を明瞭に可視化することに成功しました。今後このイメージングシステムを用いることで、行動中の神経情報処理に関して多くの知見が得られることが期待されます。

 

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図1:運動中の線虫の体壁筋カルシウムイメージング


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