公募研究 産業技術総合研究所・戸井 基道

シナプス接続とシナプス小胞放出の可視化による機能的神経回路網の解明

産業技術総合研究所・バイオメディカル研究部門 グループ長

戸井 基道

 線虫(C. elegans)では、300個の神経細胞が形成するほぼ全てのシナプスの位置やその標的細胞が推定されている。多くの神経は標的細胞と複数のシナプス(マルチシナプス)を形成するが、これらのマルチシナプス接続において個々のシナプスが生体の様々な情報処理にどの様に寄与しているのかは不明である。そこで本研究では、生体内で実際に機能しているシナプス接続パターンとシナプス伝達量を詳細に理解することを目指す。そのために様々な蛍光タンパク質によるプレシナプスからの小胞放出過程(量)と細胞間に特異的なシナプス接続を可視化する技術等を用い、生体内で行動や刺激に伴う神経活動変化を個々のシナプスレベルで解析することを試みる。また標的細胞特異的なシナプス接続が異常になった変異体を用い、シナプスの数・位置などの変化が回路における神経情報と最終的なアウトプットである行動にどの様に寄与するのかを明らかにする。

 

 

 

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