公募研究 東京大学・久保 健雄

ミツバチの視覚情報処理を支える脳のモジュール構造の分子的構築の解析

東京大学・大学院理学系研究科 教授

久保 健雄

 ミツバチは高い視覚情報処理能力をもち、その働き蜂は巣から餌場までの距離と方向をダンスコミュニケーションにより仲間に伝達する。しかしながら、ミツバチの視覚情報処理の基盤となる分子的・神経的基盤は明らかではない。私たちは最近、ミツバチの脳の「分子的解剖(=領野・行動選択的な遺伝子の発現地図の作成)」を行う過程で、高次中枢(キノコ体)において、今まで未知であった領域に特異的に発現する新規な遺伝子を発見した。さらに、視覚中枢(視葉)において、神経細胞のサブタイプ選択的に発現する遺伝子を発見した。本研究では、これらの新しく発見された、或いは既知・未知のミツバチの脳の「モジュール構造」が視覚情報処理に果たす機能を解析するため、当該遺伝子を発現する神経回路を可視化すると共に、その機能を調べる。さらに脳のモジュール構造の成因を分子レベルで解析する。

 

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