ショウジョウバエ求愛行動をモデルとした行動進化の神経基盤の解明

東北大学・大学院生命科学研究科　准教授

小金澤　雅之　

　キイロショウジョウバエ(D. melanogaster)の雄型求愛行動には、fruitless(fru)遺伝子を発現する神経回路が中心的な役割を果たしている。fru発現神経回路を強制的に興奮させると、ターゲットとなる雌が存在しなくても求愛行動を解発できることがわかってきた。本研究では、まず機能的モザイク法を用いてどのfru発現神経細胞が特定の求愛行動パターンを生み出すのかを明らかとする。異なる種のショウジョウバエはそれぞれ種特異的な求愛行動パターンを示す。他種でもfru発現神経回路が求愛行動の解発に重要な役割を果たしていると考えられるため、異なる種のfru発現制御配列を利用することにより、キイロショウジョウバエ脳内に他種のfru発現神経回路を再現し、他種の種特異的行動を遺伝的に移植する事を試みる。本研究を通して種特異的行動を生み出す神経回路構築のロジックを明らかにすることを目指す。

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