C. elegansにおけるCREB依存的なアセチルコリンシグナル制御の解析

東京大学・大学院総合文化研究科　助教

周防　諭

　線虫C. elegansは、神経系が非常に単純であり、遺伝子破壊・遺伝子導入が比較的容易に行えるので、神経機能を分子レベル、神経回路レベルで解析するのに非常に有用である。このような利点を生かし、私はこれまでに図に示したような、餌によって制御される神経回路を明らかにしてきた。この回路においては、アミン神経伝達物質であるドーパミンとオクトパミンにより、SIAと呼ばれるニューロンで転写因子CREBの活性化が制御されている。本研究ではこのCREBの下流で働く分子･神経回路を明らかにすることを目的とする。これまでに行った予備的実験によりCREBがアセチルコリンシグナルを制御していることが示唆されており、より詳細な解析を行うことで、この神経回路の動作原理が明らかにして行く。

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